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9月 27, 2022

タイ中央銀行が自動車・オートバイの割賦販売・リース事業を規制する勅令案を作成

タイ中央銀行と金融政策局は、仏歴2551年(西暦2008年)金融機関事業法(以下、「金融機関事業法」とする)に基づき、自動車やオートバイの割賦販売・リースを規制する勅令案を作成した。

この勅令案は、タイで家計債務が急増する中、自動車やオートバイの割賦販売・リースに関わる債務残高の増加に対応・対処すべく作成された。現在まで、ノンバンクによる自動車やオートバイの割賦販売・リースは規制されておらず、料金・取引などにつき苦情が多く寄せられてきていた。

 

規制対象となる事業者の範囲

この勅令案により、自動車やオートバイの割賦販売・リースを行う事業者は、金融機関事業法の規制対象となる。

勅令案では、規制対象となる「割賦販売」と「リース」を以下のように定義している。

「割賦販売」とは、タイ民商法に従った自動車・オートバイの割賦販売である。すなわち、自動車・オートバイの所有者が顧客に割賦販売し、顧客が一定の支払いを行うことを条件に、自動車・オートバイの顧客への売却又は顧客への所有権移転を約束する契約である。

「リース」とは、ファイナンス・リース契約に基づき、貸主が借主の要望に応じて自動車・オートバイをメーカー・販売代理店等から調達し、自動車・オートバイを借主に対して賃貸しすることをいう。借主は、リース期間中はリース車両・オートバイを修理する義務を負い、中途解約することはできない。契約終了後、リース対象の資産を購入する権利は、貸主と借主の合意に従う。

この勅令案は、自動車・オートバイの割賦販売・リースを行うノンバンクである事業者に影響するであろう。一方、この勅令案は、金融機関事業法に基づく金融機関、特定の政府機関により規制・監視されている他の法律に基づく事業者、及び法人ではない事業者に対しては適用されない。

 

主なポイント

勅令案の主なポイントは以下の通りである。

  1. 事業者は、中央銀行が公表する基準に従って一定事項(適用金利、サービス料等)を開示し、中央銀行に報告書を提出しなければならない。またサービス料の計算方法等につき消費者に対して通知しなければならない。
  2. 勅令案は、中央銀行に事業者が遵守しなければならない基準を策定・公表する権限を与えている。対象となる事項には、契約の締結・履行、保証、事業者の営業内容の開示、自動車・オートバイの割賦販売・リースに関するその他事項など、幅広い事項が対象となる可能性がある。
  3. 中央銀行は、サービス料の計算方法に関する基準を策定・公表することができる。
  4. 合理的な理由がある場合に、中央銀行は事業者が消費者に請求する金利、サービス料、違約金に関連する基準等を策定・公表することができる。
  5. 違反があった場合、中央銀行 は警告書、違反行為を禁止する命令・指示を出すことができる。事業活動が公衆に害を及ぼす可能性があると判断された場合、中央銀行は事業者に対して、事業の是正や一部・全部の事業活動の一時的な停止を命じることができる。勅令案は違反に対する罰則として罰金と禁固刑を規定している。

中央銀行は勅令案につき公聴会を遂行し、現在、勅令案の法制化へ向けて手続きを遂行している。

 

備考:本和文は英文記事から作成しました。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Bank of Thailand to Regulate Car and Motorcycle Hire Purchase and Leasing

その他の情報 

7月 18, 2025
タイ銀行(BOT: Bank of Thailand)は、金融セクターにおける人工知能(AI)リスク管理の原則を定めるガイドライン草案を公表した。このガイドライン草案は、AI技術の責任ある導入のための構造化された枠組みを提供している。金融サービス提供者は、このガイドラインを参考に、国際的に認められたベスト・プラクティスに沿ってリスクを適切に管理することができる。 BOTは2025年6月30日までガイドライン草案に対するパブリックコメントを募集している。 範囲および適用 本ガイドライン草案は、金融機関業法(Financial Institution Business Act)に基づく金融機関及び特別金融機関、並びに資金決済法(Payment Systems Act)に基づく決済事業者を含む全ての金融サービス提供者に適用される。本ガイドライン草案は、ITリスク管理、サードパーティリスク管理、データ・ガバナンス、市場行動規範を含む既存のBOTリスク管理ガイドラインを補完するものである。 ガイドライン草案では、AIシステムを、機械学習、ディープラーニング、生成AI(大規模言語モデルなど)、エージェンティックAIなど、人間の知能を模倣するシステムと定義している。この定義では、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)等のルール・ベースの自動化システムは明確に除外されている。 主要なリスク管理原則 ガイドライン草案では、AI リスクを管理するための 2 つの主要な原則が示されている。 ガバナンス:金融サービス提供者は、FEAT (公平性(fairness)、倫理性(ethics)、説明責任(accountability)、透明性(transparency)) の原則を遵守するために、金融サービス提供者の職員と AI システム監督構造の明確な役割と責任を次のように定義し、確立する必要がある。 ステークホルダーの役割と責任 金融サービス提供者は、AIリスクの監視に関する取締役と経営陣の役割と責任を定義する必要がある。責任には、AIシステム利用ポリシーの策定、AIリスク管理責任者の任命、組織内におけるAI関連リスクに関する意識向上などが含まれる。 AIシステム利用ポリシー AIシステム利用ポリシーは、組織の目標、規制要件、およびFEAT原則と整合させる必要がある。これらのポリシーは、技術の進歩とリスクプロファイルの変化に対応するために定期的に見直す必要がある。 AIライフサイクル全体にわたるリスク管理 リスク管理は、リスク許容度の確立から、継続的なリスク評価と特定の利用ケースに合わせた管理策の実施まで、AIライフサイクル全体を網羅する必要がある。AIシステムが戦略的な機能や顧客とのインタラクション(例:融資の承認、口座開設)に使用される場合、意思決定プロセスには人間による監視が組み込まれている必要がある。顧客とAIシステムのインタラクションにおいては、顧客に通知を行い、AI機能を無効化またはバイパスするオプションを提供する必要がある。 開発およびセキュリティ管理:金融サービス提供者は、次のように AI の開発と展開のライフサイクルをカバーするリスク管理を行う必要がある。 データリスク 金融サービス提供者は、AIモデルの学習に使用するデータの品質、正確性、最新性、量、多様性を評価し、確保するための対策を講じる必要がある。また、データ漏洩防止対策も実施する必要がある。 モデル開発リスク 金融サービス提供者は、(1)導入前後の継続的なテストとモニタリングを通じてモデルの精度と信頼性を評価するための明確な評価指標、および、(2)AIの結果の説明可能性を確保するための手段を備える必要がある。生成AIアプリケーションについては、AIハルネーションリスク(AI hallucination risks)を低減するための具体的な対策が必要である。 サイバーセキュリティリスク 金融サービス提供者は、OWASP機械学習セキュリティトップ10などの確立された標準に基づいて、AIシステムを標的とした新たなサイバー脅威を防止および検出するための対策を講じる必要がある。 タイのフィンテック、テクノロジー、サイバーセキュリティに関する詳細については、 Athistha Chitranukroh([email protected])、Nopparat Lalitkomon([email protected])、Pornpan Wichawut([email protected])、 Napassorn Lertussavavivat([email protected])、またはRujaporn Paritsantik([email protected])までお問い合わせください。   備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Thailand Drafts AI Risk Management Guidelines for Financial Service Providers
3月 28, 2024
タイ中央銀行 (BOT:  Bank of Thailand) は、2024年3月19日から2024年4月17日までの期間、 「バーチャル銀行監督基準(Criteria for Supervising Virtual Banks)」 と題する協議文書 (consultation paper)に対する公聴会を開催する。協議文書は、BOTがバーチャル銀行に対して伝統的な商業銀行監督基準を適用することを明らかにしている。しかしながら、BOTはまた、バーチャル銀行により提供されるサービスがすべてデジタルであるため、追加的な規制監督が必要であると説明している。 バーチャル銀行の追加監督基準 金融ビジネスグループ バーチャル銀行が他の金融機関と同じ金融ビジネスグループに属する場合、その親会社はバーチャル銀行を単一連結金融ビジネスグループの下に構築しなければならない。バーチャル銀行が開業当初の 「制限段階」 (下記参照) を経た後は、グループ内の他の金融機関は、バーチャル銀行に対して信用を供与したり、融資活動に類似した取引を行ったりすることが禁止される。 株式保有構造 金融機関システムの資本の増加が、銀行の株式保有構造に起因する実際の資本注入よりも大きい場合、BOTは、二重計上を防ぐために、バーチャル銀行と金融機関システムの資本を監督する追加規制を発行することを目指している。 オペレーショナルリスク バーチャル銀行は、他の金融機関や金融機関グループと類似したり、関連を示唆したりする商標やロゴを使用してはならない。 ガバナンス バーチャル銀行には、ITまたはデジタルサービスの分野で3年以上の経験を持つ取締役と最高技術責任者 (CTO) が少なくとも1人必要だ。さらに、CTOはバーチャル銀行でフルタイムで勤務しなければならず、他の法人の従業員であってはならない。 関連する融資および関連当事者取引の制限 バーチャル銀行は、主要株主や受益者との取引を行う前に、取締役会の全会一致の承認を得る必要があります。 サービスチャネルとアウトソーシング バーチャル銀行は、他のチャネルを通じてサービスを提供する必要がある場合を除き、デジタルチャネルを通じてのみサービスを提供する必要がある。 ITシステム バーチャル銀行は、ITシステムが中断のないサービスを提供できるようにする必要がある。さらに、バーチャル銀行は、預金システム、融資システム、インターネットバンキングサービス、モバイルバンキングサービスを他の国内または国際金融機関と共有してはならない。 制限段階基準 BOTは、新しい監督基準の導入に加えて、制限段階(すなわち、最初の3~5年)の間に適用される特定の既存規則を緩和する予定である。これには、ガバナンス、ストレステスト、事業継続計画の要件が含まれる。 バーチャルバンクまたはその他の金融技術に関するタイの規制の詳細については、Athistha (Nop) Chitranukroh ([email protected]) 、Pornpan Wichawut ([email protected]) 、Rada Lamsam ([email protected]) 、Rujaporn Paritsantik ([email protected]) にお問い合わせください。   備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Thailand Launches Public Consultation on Virtual Banks Supervision Notification
3月 14, 2024
タイ財務省(Ministry of Finance)は、バーチャルバンク事業(Virtual Bank Business)を行うためのライセンスの申請および発行に関する基準、方法、条件に関する通知を発行し、2024年3月4日に官報に掲載した。この通知により、テクノロジー、デジタルサービス、多様なデータ利用分野の(将来、指定される資格も含む)資格を有する専門家が、新しいデジタルチャネルを通じて金融サービスを提供するためのバーチャルバンクのライセンスを申請する機会が開かれることになる。主な目標は、従来のバンクシステムでは十分な金融サービスを受けられない可能性のある者の金融ニーズに応えることである。 認可のタイムライン 申請期間: 6月(2024年3月20日~2024年9月19日)。 合格者の発表: 2025年半ば(申請期間終了後約9ヵ月~1年) 合格者は、発表後1年以内にバーチャルバンク事業を開始する準備が整っていることを以下の方法で証明する必要がある。 払込済み登記資本金50億タイバーツを有し、事業開始後に払込済み登記資本金を100億タイバーツ以上に増やす計画があること 金融事業グループの設立または適正化 人材、ITシステムおよび関連するリスク管理ツールの調達 発行予定ライセンス数 タイ中央銀行 (BOT: Bank of Thailand) の裁量により、特定の制限は規定されていない。 主な応募資格 応募資格は以下の点を有していることである。 ビジネスモデルおよび計画に従ってバーチャルバンキング業務をサポートする経験およびリソース テクノロジーを活用し、デジタルチャネルを通じてサービスを提供するビジネスを実施するための専門知識および経験 データの取得、アクセス、管理、および活用する能力を実証した経験(これには、ユーザーの活動を容易にし、他のプロバイダーとの取引を行うためにデータを使用できるようにするためのシステムまたはデータ接続の開発が含まれる) 基準 バーチャルバンクライセンスの申請者の資格を評価する際に、BOTは以下の基準を考慮する。 申請者が主要な応募資格を有していること 申請者がBOTの想定するグリーンライン(すなわち、金融サービスが、顧客のニーズ、優れた顧客満足度、公正な競争を満たしていること)に従い、かつ、レッドライン(持続不可能な事業運営、不適切な競争、利害関係者の利益相反)を回避して業務を遂行できること 申請者が、柔軟性、持続性、安全性、信頼性の高い技術を使用してバーチャルバンク業務を運営する可能性および能力;知識、スキル、適切なガバナンス;リスク管理能力、金融業務能力、リスク軽減の強力な文化の維持能力;株主からの地位および金融支援;を有していること バーチャルバンクまたはその他の金融テクノロジーに関するタイの規制の詳細については、Athista (Nop) Chitranukroh ([email protected]) 、Pornpan Wichawut ([email protected]) 、またはRada Lamsam ([email protected]) までお問い合わせください。   備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Thailand Unveils Virtual Bank Licensing Framework
10月 10, 2023
2023年8月14日、ミャンマー中央銀行 (CBM) は、タイバーツ (THB) を国際決済取引の許容通貨として承認した。この発表は、CBM命令第11/2023号の発行と同時に発効し、ミャンマーにおけるタイ企業や投資家の通貨換算の煩雑さを軽減する。2022年4月3日から施行されている、外貨送金と残高の現地通貨への換算を要求するミャンマーの現行規則では、米ドル (USD) は国際決済取引に使用され、公式為替レート (現在は1米ドルから2,100 MMK) で換算されなければならない。その後、CBMはミャンマーとタイの国境貿易やその他の資本の流れのためにTHBからMMKへの換算を可能にする直接支払いメカニズムを導入した。CBMの最新の発表では、承認されたディーラー銀行を通じてTHBでの国際支払いと決済取引が許可されている。THBを国際支払いに使用する事業主と投資家は、ミャンマーの外国為替および変換問題を監督する機関である外国為替監督委員会 (FESC) の事前承認を得る必要がある。THBを使用する資本関連取引も、FESCの承認を申請する前にCBMの承認を必要とする。   備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください:  https://www.tilleke.com/insights/myanmar-approves-thai-currency-for-international-payments-and-settlement/