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6月 9, 2022

タイの公開株式会社法(Public Limited Company Act)改正

2022年5月23日に、2022年公開株式会社法No.4(Public Limited Companies Act (No.4) B.E.2565)が承認され、官報に掲載されました。改正法は、取締役会及び株主総会が電子システムにより開催されることを正式に許可し、公開株式会社の承認プロセスを修正するものです。

改正法は、その公布の翌日に発効しましたが、一部の改正については、実際には、関連する種々の細則が発行された後に完全に実施されることになります。新法令の主な内容は以下の通りです。

 

会社の通知・広告の電子的配布

以前の公開株式会社法では、会社に義務付けられた通知、声明、広告は、少なくとも連続3日間、会社が所在する地方の新聞に掲載されなければなりませんでした。改正法では、このような通知、声明、広告を電子的手段で送信することが認められました。ただし、そのプロセスは商務省が発行する下位規則に準拠する必要があります。

 

書類の電子的配布のオプション

改正法は、公開株式会社の通知又は文書につき、会社が、会社の取締役、株主又は債権者に対し、それらの者が電子的手段で受領することに同意している限り、書留郵便ではなく電子的に送付することを認めました。文書の電子交付は、商務省が発行する細則に従って行う必要があります。

 

取締役会会議の招集権限を付与された個人

改正法は、従前の法律と同様に取締役会の議長に役員会を招集する権限を付与していますが、それに加え、取締役の2名が共同して議長に会議の招集を要請できるものと規定しました。この場合、議長は14日以内に会議を招集しなければなりません。要請したにもかかわらず議長が会議を招集しなかった場合、同取締役2名は、14日間経過後、その後14日以内に取締役会会議を直接招集できるとされました。また、改正法では、議長がいない場合に副議長が取締役会会議を招集できるとしました。副議長がいない場合は、取締役のうちの2名にこの招集権限が与えられます。

 

電子システムによる取締役会会議

改正公開株式会社法は、会社の定款により禁止されていない限り、取締役会会議を電子的手段で招集することを認めています。このような会議は、当社の本店で開催されるものと見なされ、電子システムによる会議に関する法律に準拠して開催されなければなりません。

公開株式会社の取締役会は、少なくとも3ヶ月に1回開催する必要があります。改正前の公開株式会社法では、会議の招集通知は、少なくとも7日前に取締役本人に交付されるか、送付される必要があると規定されていましたが、改正法では通知期間が3日に短縮されました。会社の権利及び利益を保護するために緊急の事項がある場合には、通知期間をさらに短縮し、電子的に通知を送付することもできるようになりました。

 

電子システムによる株主総会

株主総会も、電子システムによる取締役会会議と同様、会社の定款により禁止されておらず、電子システムによる会議に関する法律に準拠している場合は、電子的に招集することができます。また電子システムによる取締役会と同様、会社の本店が総会の場所とみなされます。

発行済株式総数の10%以上の株主から株主総会の開催を要請され、取締役会が株主からの要請を受けてから45日以内に総会を招集しなかった場合、要請した株主はその後45日以内に株主総会を招集することができます。株主総会招集通知は、株主が同意した場合に限り、電子的方法で発送することができます。この文書の交付は、商務省が発行する細則に従わなければなりません。

 

電子的方法による代理人の選任

改正法は、株主総会における代理人の選任につき、その選任方法が安全で信頼性があり、商務省の定める規則に従っていることを条件に、株主が電子的方法によって代理人を選任することを認めました。改正前は、株主総会のための代理人の選任は、株主によって署名された書面によって行われ、議長又は議長に指名された者に同書面が提出されなければなりませんでしたが、これが変更されました。

 

備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Legislation Amendments for Public Limited Companies in Thailand – Tilleke & Gibbins

その他の情報 

1月 27, 2026
カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムは、急速な経済成長、比較的安価な事業運営コスト、魅力的な投資インセンティブなど、投資家にとってこの地域で事業を行う魅力的な理由を数多く提供する有望な地域です。これらの国々への市場参入プロセスにはいくつかの共通した手順がありますが、それぞれの地域には独自の要件と懸念事項があります。このガイドは、これらの国々で事業を開始しようとしている投資家のために、基本的なプロセス、将来性、そして法的考慮事項を説明します。
6月 11, 2024
Tilleke & Gibbins は、「タイの会社取締役(義務と責任に関するガイドラインと Q&A)」を発表いたしました。この刊行物は、重要な企業の役割を引き受ける際に生じる義務および責任を理解する必要のある、将来または現職の会社取締役にとって頼りになるものです。 Tilleke & GibbinsのCorporate and Commercial Departmentのパートナー兼ディレクターである Kobkit Thienpreecha が執筆した「タイの会社取締役」は、企業とその取締役がタイ市場に参入する際に知っておくべき重要な情報トピックを提供しています。このガイドラインでは、タイの多くのトップ企業で取締役の責任に関する研修を定期的に行っている彼が、取締役の役割および責任、並びに取締役が直面する可能性のある民事・刑事責任の概要を説明しています。また、取締役から頻繁に質問を受ける責任および提起され得る訴訟に関する Q&Aも記載されています。
12月 12, 2023
タイ工業省(MOI: Ministry of Industry)は、工場における産業廃棄物を生成した者に対して汚染者負担の原則を適用する通達を出した。工場法(Factory Act)B.E.2535(1992年)に基づいて制定された廃棄物又は未使用材料の管理に関する工業省の通知 (Notification of the Ministry of Industry on Management of Waste or Unused Materials) B.E.2566(2023年)は、廃棄物を生成した者としての工場の事業者の義務および責任の重要な転換を示しており、新しい通達の下では、廃棄物が第三者である廃棄物処理業者によって収集された時点で終了することはない。2023年5月31日に最初に発行されたこの通知は、工業省によって設定された猶予期間を経過した後、2023年11月1日に施行された。 新しい工業省通知は、廃棄物が生成されてから適切かつ完全に処分されるまで、廃棄物の管理および処分に関する廃棄物を生成した者の義務および責任を拡大するものである。これらの義務および責任には、廃棄物を廃棄物処理業者に引き渡すこと、廃棄物処分処理を監督すること、および廃棄物処理業者による不履行、事故、又は廃棄物の紛失が発生した場合に適切な措置を講じることが含まれる。 工場廃棄物に関する従前の工業省通知に基づく規則と同様に、処分のための工場敷地外での廃棄物の輸送には、依然として工業事業局(DIW: Department of Industrial Works)の許可が必要である。なお、新しい工業省通知に基づく許可は、顧客登録システム(”i-Industry system”)を介して電子的に、又は売業事業局で直接申請することができるようになった。 工業省による産業廃棄物の汚染者負担の原則の採用は、廃棄物管理責任および汚染防止コストが廃棄物を生成する者に大幅にシフトすることを予告しており、廃棄物を生成する者は新しい工業省通知に示された厳格な基準および適合確認手続を確実に遵守する必要がある。 新しい規則の詳細、又は工場に対するタイの産業廃棄物管理や環境規制について、Kobkit Thienpreecha([email protected])、Witchupong Chittchang([email protected])、又はNathat Chongcharoenphanich([email protected])までお問い合わせください。   備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Thailand Embraces Polluter-Pays Principle as New Regulation on Industrial Waste Takes Effect
10月 31, 2022
タイの下院議会は2022年9月14日、タイ民商法の改正法案(以下、「改正法案」とする)を承認した。この改正法案は、非公開会社の発起人・株主の人数、株主総会の通知方法、取締役会の開催、合併の形態など、様々な点において変更を加えており、重要な改正といえる。   コーポレートガバナンスの観点からの改正 コーポレート・ガバナンスの観点からの改正点は多々あるが、例えば以下の事項がある。 改正法案では、非公開会社の発起人、株主は最低2人としている(現時点においては、非公開会社の発起人、株主は最低3人必要である)。株主総会で決議を行うには、会社の資本金の4分の1以上を代表する2人以上の株主が出席することで足りる。株主の数が1名になった場合は、裁判所により解散させられることがありえる。 改正法案では、原則としては、株主総会の招集通知を新聞に掲載する必要がなくなり、株主に郵送することで足りるとしている。但し、無記名式株券を発行している会社においては、株主総会の招集通知を新聞又は電子媒体において告知する必要がある(詳細は、今後発布される省令において規定される)。 配当金の分配は、株主総会又は取締役会の決議から1ヶ月以内に完了しなければならない。   合併に関する改正 現行の民商法では、会社の「合併」においては、2つの会社が合併して新しい会社を設立し、合併の対象となった旧会社は解散するという「新設合併」しか認められていない。例えば、A社とB社が合併する場合は新会社Cが設立される。A社とB社は消滅し、C社はA社とB社の権利・義務を継承する。 改正法案では、企業結合のもう一つの形態として「吸収合併」が追加された。吸収合併においては、吸収された会社は解散し、吸収した会社は存続する。例えば、A社を存続会社、B社を被吸収会社とした場合、合併手続き終了時にB社は解散し、A社は法人格を維持したままB社の資産、負債、権利、義務を自動的に継承することになる。   今後の展開 改正法は国王による承認を経て、官報に公示されてから90日後に発効する。   備考:本和文は英文記事から作成しました。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Thailand Prepares to Enact Amended Civil and Commercial Code