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10月 31, 2022

タイ、改正民商法の制定に向け前進

タイの下院議会は2022年9月14日、タイ民商法の改正法案(以下、「改正法案」とする)を承認した。この改正法案は、非公開会社の発起人・株主の人数、株主総会の通知方法、取締役会の開催、合併の形態など、様々な点において変更を加えており、重要な改正といえる。

 

コーポレートガバナンスの観点からの改正

コーポレート・ガバナンスの観点からの改正点は多々あるが、例えば以下の事項がある。

  1. 改正法案では、非公開会社の発起人、株主は最低2人としている(現時点においては、非公開会社の発起人、株主は最低3人必要である)。株主総会で決議を行うには、会社の資本金の4分の1以上を代表する2人以上の株主が出席することで足りる。株主の数が1名になった場合は、裁判所により解散させられることがありえる。
  2. 改正法案では、原則としては、株主総会の招集通知を新聞に掲載する必要がなくなり、株主に郵送することで足りるとしている。但し、無記名式株券を発行している会社においては、株主総会の招集通知を新聞又は電子媒体において告知する必要がある(詳細は、今後発布される省令において規定される)。
  3. 配当金の分配は、株主総会又は取締役会の決議から1ヶ月以内に完了しなければならない。

 

合併に関する改正

  1. 現行の民商法では、会社の「合併」においては、2つの会社が合併して新しい会社を設立し、合併の対象となった旧会社は解散するという「新設合併」しか認められていない。例えば、A社とB社が合併する場合は新会社Cが設立される。A社とB社は消滅し、C社はA社とB社の権利・義務を継承する。
  2. 改正法案では、企業結合のもう一つの形態として「吸収合併」が追加された。吸収合併においては、吸収された会社は解散し、吸収した会社は存続する。例えば、A社を存続会社、B社を被吸収会社とした場合、合併手続き終了時にB社は解散し、A社は法人格を維持したままB社の資産、負債、権利、義務を自動的に継承することになる。

 

今後の展開

改正法は国王による承認を経て、官報に公示されてから90日後に発効する。

 

備考:本和文は英文記事から作成しました。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Thailand Prepares to Enact Amended Civil and Commercial Code

その他の情報 

9月 8, 2022
「中小企業」 (SMEs: Small and Medium Enterprises) に対する商品価格・サービス料の支払いにおける与信期間の上限等を定めた2021年5月24日付のタイ取引競争委員会 (TCC: Trade Competition Commission)布告は2021年12月から施行されていた。 この布告においては、「中小企業」が製品やサービスを販売する場合の「中小企業」に対する支払いにおいて与信期間の上限を規定していた。法定の期間よりも長い与信期間を設定することは、仏歴2560年(西暦2017年)取引競争法に違反する不公正取引行為に該当するとされた。上記布告においては、「中小企業」の定義を下記の通りに規定していた。   改正前の「中小企業」の定義 製造業: 従業員数200人以下、又は 年間売上高5億バーツ以下 サービス業、卸売業、小売業: 従業員数100人以下、又は 年間売上高3億バーツ以下 この度、2022年7月6日付のタイ取引競争委員会布告においては「中小企業」の定義が以下の通りに改正された。   改正後の「中小企業」の定義 製造業: 従業員数200人以下、且つ 年間売上高5億バーツ以下 サービス業、卸売業、小売業: 従業員数100人以下、且つ 年間売上高3億バーツ以下   改正前においては、従業員数基準又は売上高基準のどちらか一方のみを満たせばよいことになっていた。 改正後の「中小企業」の定義においては、「中小企業」とみなされるためには、従業員数基準と売上高基準の両方の基準を満たすことが必要とされている。この改正により、「中小企業」に該当する事業者が減少することが予測される。 布告に基づく与信期間を要請するためには、「中小企業」は、従業員数基準及び売上高基準を満たすことを証明する書類を取引先に提出しなければならない。 今回改正された「中 小企業」の定義は2022年9月16日から施行された   備考:本和文は英文記事から作成しました。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Thailand Tightens Definition of SMEs Eligible for Special Protection from Unfair Credit Terms
6月 22, 2022
2022年4月4日、ミャンマーの国家行政評議会(State Administration Council)は、外貨両替の承認、両替義務の免除、海外への外貨送金の許可等を遂行する外国為替管理委員会 (Foreign Exchange Supervisory Committee) を設立しました。   外国為替管理委員会の設立は、2022年5月13日に国家行政評議会の命令28/2022が官報に掲載され、委員会に6人の人物が任命されたことで正式に決定しました。   外国為替管理委員会は、ミャンマーにて受け取る外貨を現地通貨に両替することを義務付ける政策の実施を担う中心的な機関です。   2022年4月にこの政策が制定されて以来、ミャンマー中央銀行は外貨の取り扱いを許可された銀行に対してさらなる説明と指示を出し、外国投資家の懸念に応えて特定の外国投資プロジェクトを両替義務の対象から除外し、中国、タイと接する国境における貿易については、両替義務が遂行されるべき期限を延長しました。   外国為替管理委員会は、国内外の投資、製造、輸出入、サービス業の外貨の流れを監督しています。   外国為替管理委員会は、特に以下の事項における外貨使用を検討し、承認する責務があります。 海外からの投資や製造に必要な機械、車両、設備、原材料の輸入。 国内市場で入手できない燃料、医薬品、食用油、肥料、殺虫剤、建設資材の輸入。 ミャンマー国民の医療、教育、宗教活動のための海外渡航。 一般商品の輸入、外国からの借入金返済・利払い、サービス料、投資利益の本国送還 各種嗜好品(ブランド品、宝飾品、スポーツカー、時計等)の輸入。   尚、外国為替管理委員会は、国家行政評議会から命じられたその他の外国為替管理に関する業務も行います。
6月 9, 2022
2022年5月23日に、2022年公開株式会社法No.4(Public Limited Companies Act (No.4) B.E.2565)が承認され、官報に掲載されました。改正法は、取締役会及び株主総会が電子システムにより開催されることを正式に許可し、公開株式会社の承認プロセスを修正するものです。 改正法は、その公布の翌日に発効しましたが、一部の改正については、実際には、関連する種々の細則が発行された後に完全に実施されることになります。新法令の主な内容は以下の通りです。   会社の通知・広告の電子的配布 以前の公開株式会社法では、会社に義務付けられた通知、声明、広告は、少なくとも連続3日間、会社が所在する地方の新聞に掲載されなければなりませんでした。改正法では、このような通知、声明、広告を電子的手段で送信することが認められました。ただし、そのプロセスは商務省が発行する下位規則に準拠する必要があります。   書類の電子的配布のオプション 改正法は、公開株式会社の通知又は文書につき、会社が、会社の取締役、株主又は債権者に対し、それらの者が電子的手段で受領することに同意している限り、書留郵便ではなく電子的に送付することを認めました。文書の電子交付は、商務省が発行する細則に従って行う必要があります。   取締役会会議の招集権限を付与された個人 改正法は、従前の法律と同様に取締役会の議長に役員会を招集する権限を付与していますが、それに加え、取締役の2名が共同して議長に会議の招集を要請できるものと規定しました。この場合、議長は14日以内に会議を招集しなければなりません。要請したにもかかわらず議長が会議を招集しなかった場合、同取締役2名は、14日間経過後、その後14日以内に取締役会会議を直接招集できるとされました。また、改正法では、議長がいない場合に副議長が取締役会会議を招集できるとしました。副議長がいない場合は、取締役のうちの2名にこの招集権限が与えられます。   電子システムによる取締役会会議 改正公開株式会社法は、会社の定款により禁止されていない限り、取締役会会議を電子的手段で招集することを認めています。このような会議は、当社の本店で開催されるものと見なされ、電子システムによる会議に関する法律に準拠して開催されなければなりません。 公開株式会社の取締役会は、少なくとも3ヶ月に1回開催する必要があります。改正前の公開株式会社法では、会議の招集通知は、少なくとも7日前に取締役本人に交付されるか、送付される必要があると規定されていましたが、改正法では通知期間が3日に短縮されました。会社の権利及び利益を保護するために緊急の事項がある場合には、通知期間をさらに短縮し、電子的に通知を送付することもできるようになりました。   電子システムによる株主総会 株主総会も、電子システムによる取締役会会議と同様、会社の定款により禁止されておらず、電子システムによる会議に関する法律に準拠している場合は、電子的に招集することができます。また電子システムによる取締役会と同様、会社の本店が総会の場所とみなされます。 発行済株式総数の10%以上の株主から株主総会の開催を要請され、取締役会が株主からの要請を受けてから45日以内に総会を招集しなかった場合、要請した株主はその後45日以内に株主総会を招集することができます。株主総会招集通知は、株主が同意した場合に限り、電子的方法で発送することができます。この文書の交付は、商務省が発行する細則に従わなければなりません。   電子的方法による代理人の選任 改正法は、株主総会における代理人の選任につき、その選任方法が安全で信頼性があり、商務省の定める規則に従っていることを条件に、株主が電子的方法によって代理人を選任することを認めました。改正前は、株主総会のための代理人の選任は、株主によって署名された書面によって行われ、議長又は議長に指名された者に同書面が提出されなければなりませんでしたが、これが変更されました。   備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Legislation Amendments for Public Limited Companies in Thailand – Tilleke & Gibbins