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10月 3, 2022

電子システムによる会議開催の要件

コロナ禍で外国にいる株主や取締役がタイに来ることが困難な状況をふまえ、2020年4月19日に発出された「電子システムによる会議開催にかかる勅令」(以下「新勅令」)により、取締役会や株主総会について海外からのTV会議参加が認められることとなりました。また、新勅令の補足として、2020年5月26日にデジタル社会経済省(The Ministry of Digital Economy and Society)から電子会議システムのセキュリティ基準についての通知が発出されております。これらを踏まえ、電子システムによる会議の要件を、以下ご説明いたします。

まず、新勅令において、求められている要件としては、以下の5つです(新勅令第9条)。

  1. 会議開始前に参加者の本人確認を行うこと
  2. 会議中に、出席者が通常投票及び匿名投票ともに実施できるようにすること
  3. 書面による取締役会議事録を作成すること
  4. 秘密会議の場合を除き、会議の最初から最後までの会議の録音または録画を行うこと。
  5. すべての出席者の電子トラフィックデータを保存しておくこと

なお、(4)(5)の情報は、議事録の一部とみなされます。

 

また、デジタル社会経済省からの電子会議システムのセキュリティ基準についての通知によりますと、電子会議システムは以下のセキュリティの要件を充たす必要があります。

  1. 本人確認方法について、ユーザーネームとパスワードやワンタイムパスワードなど安全な方法を採用すること
  2. クリアで継続的な双方向のコミュニケーションが行える十分な回線容量を有していること
  3. 会議の議長またはシステム管理者は、出席者の参加につき、コントロールまたは制限できる技術的な方法を有していること
  4. 出席者は、会議において示される書類やデータにアクセスできること
  5. 出席者が投票を行うことのできるテクニカルツールがあること
  6. 会議に関連する記録やデータ(本人確認方法、投票の方法及び結果、音声または画面の記録、出席者の電子トラフィックデータ、会議の中断があった場合はその中断を含む)を保管すること。
  7. 会議の中断や通信エラーが起こった場合に、出席者はそれを報告することができ、会議の主催者はそれらの問題に対する適切な解決方法や予防につき準備していること
  8. 会議は、守秘義務、整合性、アクセス、プライバシー、個人情報保護、他のITのセキュリティの観点から、最低限のITセキュリティーの要件を充たすこと

 

電子システムによる取締役会または株主総会を開催する場合、のちに同会議が無効と主張されないよう、上記の要件を充たす必要があることに、ご留意ください。

その他の情報 

1月 27, 2026
カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムは、急速な経済成長、比較的安価な事業運営コスト、魅力的な投資インセンティブなど、投資家にとってこの地域で事業を行う魅力的な理由を数多く提供する有望な地域です。これらの国々への市場参入プロセスにはいくつかの共通した手順がありますが、それぞれの地域には独自の要件と懸念事項があります。このガイドは、これらの国々で事業を開始しようとしている投資家のために、基本的なプロセス、将来性、そして法的考慮事項を説明します。
6月 11, 2024
Tilleke & Gibbins は、「タイの会社取締役(義務と責任に関するガイドラインと Q&A)」を発表いたしました。この刊行物は、重要な企業の役割を引き受ける際に生じる義務および責任を理解する必要のある、将来または現職の会社取締役にとって頼りになるものです。 Tilleke & GibbinsのCorporate and Commercial Departmentのパートナー兼ディレクターである Kobkit Thienpreecha が執筆した「タイの会社取締役」は、企業とその取締役がタイ市場に参入する際に知っておくべき重要な情報トピックを提供しています。このガイドラインでは、タイの多くのトップ企業で取締役の責任に関する研修を定期的に行っている彼が、取締役の役割および責任、並びに取締役が直面する可能性のある民事・刑事責任の概要を説明しています。また、取締役から頻繁に質問を受ける責任および提起され得る訴訟に関する Q&Aも記載されています。
12月 12, 2023
タイ工業省(MOI: Ministry of Industry)は、工場における産業廃棄物を生成した者に対して汚染者負担の原則を適用する通達を出した。工場法(Factory Act)B.E.2535(1992年)に基づいて制定された廃棄物又は未使用材料の管理に関する工業省の通知 (Notification of the Ministry of Industry on Management of Waste or Unused Materials) B.E.2566(2023年)は、廃棄物を生成した者としての工場の事業者の義務および責任の重要な転換を示しており、新しい通達の下では、廃棄物が第三者である廃棄物処理業者によって収集された時点で終了することはない。2023年5月31日に最初に発行されたこの通知は、工業省によって設定された猶予期間を経過した後、2023年11月1日に施行された。 新しい工業省通知は、廃棄物が生成されてから適切かつ完全に処分されるまで、廃棄物の管理および処分に関する廃棄物を生成した者の義務および責任を拡大するものである。これらの義務および責任には、廃棄物を廃棄物処理業者に引き渡すこと、廃棄物処分処理を監督すること、および廃棄物処理業者による不履行、事故、又は廃棄物の紛失が発生した場合に適切な措置を講じることが含まれる。 工場廃棄物に関する従前の工業省通知に基づく規則と同様に、処分のための工場敷地外での廃棄物の輸送には、依然として工業事業局(DIW: Department of Industrial Works)の許可が必要である。なお、新しい工業省通知に基づく許可は、顧客登録システム(”i-Industry system”)を介して電子的に、又は売業事業局で直接申請することができるようになった。 工業省による産業廃棄物の汚染者負担の原則の採用は、廃棄物管理責任および汚染防止コストが廃棄物を生成する者に大幅にシフトすることを予告しており、廃棄物を生成する者は新しい工業省通知に示された厳格な基準および適合確認手続を確実に遵守する必要がある。 新しい規則の詳細、又は工場に対するタイの産業廃棄物管理や環境規制について、Kobkit Thienpreecha([email protected])、Witchupong Chittchang([email protected])、又はNathat Chongcharoenphanich([email protected])までお問い合わせください。   備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Thailand Embraces Polluter-Pays Principle as New Regulation on Industrial Waste Takes Effect
10月 31, 2022
タイの下院議会は2022年9月14日、タイ民商法の改正法案(以下、「改正法案」とする)を承認した。この改正法案は、非公開会社の発起人・株主の人数、株主総会の通知方法、取締役会の開催、合併の形態など、様々な点において変更を加えており、重要な改正といえる。   コーポレートガバナンスの観点からの改正 コーポレート・ガバナンスの観点からの改正点は多々あるが、例えば以下の事項がある。 改正法案では、非公開会社の発起人、株主は最低2人としている(現時点においては、非公開会社の発起人、株主は最低3人必要である)。株主総会で決議を行うには、会社の資本金の4分の1以上を代表する2人以上の株主が出席することで足りる。株主の数が1名になった場合は、裁判所により解散させられることがありえる。 改正法案では、原則としては、株主総会の招集通知を新聞に掲載する必要がなくなり、株主に郵送することで足りるとしている。但し、無記名式株券を発行している会社においては、株主総会の招集通知を新聞又は電子媒体において告知する必要がある(詳細は、今後発布される省令において規定される)。 配当金の分配は、株主総会又は取締役会の決議から1ヶ月以内に完了しなければならない。   合併に関する改正 現行の民商法では、会社の「合併」においては、2つの会社が合併して新しい会社を設立し、合併の対象となった旧会社は解散するという「新設合併」しか認められていない。例えば、A社とB社が合併する場合は新会社Cが設立される。A社とB社は消滅し、C社はA社とB社の権利・義務を継承する。 改正法案では、企業結合のもう一つの形態として「吸収合併」が追加された。吸収合併においては、吸収された会社は解散し、吸収した会社は存続する。例えば、A社を存続会社、B社を被吸収会社とした場合、合併手続き終了時にB社は解散し、A社は法人格を維持したままB社の資産、負債、権利、義務を自動的に継承することになる。   今後の展開 改正法は国王による承認を経て、官報に公示されてから90日後に発効する。   備考:本和文は英文記事から作成しました。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Thailand Prepares to Enact Amended Civil and Commercial Code