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9月 23, 2022

ベトナム:著作権保護を強化・近代化した改正知的財産法

2023年1月1日、ベトナムにおいて新たに改正された知的財産法が施行され、ベトナムの知的財産制度が国際基準に沿ったものになると、顕著な影響が著作権の分野に現れる。改正知的財産法の重要な変更点を以下にまとめる。

 

[1] 複製(改正知的財産法第4条10、第20条1.c、第29条3.b、第30条1.a、第31条1.b)。

複製(reproduction)とは、態様又は形態の如何を問わず、一定の著作物または録音・録画の一部または全部の複製物を作成すること(再製)をいう。したがって、著作物の一部のみを再製することも複製行為とみなされ、制裁を受ける可能性がある。

 

[2] 頒布権(同法第20条1.d、第29条3.d、第30条1.b、第31条1.d)

頒布権(distribution rights)は有体物に限定されることが明記されている。したがって、著作物、録音・録画、放送番組の固定をデジタル形式で利用可能にする行為(例えばインターネットを通じて)は、頒布行為とはみなされない。

 

[3] 著作権侵害の例外(同法第25条、第25a条)

改正知的財産法は、著作権侵害の例外の範囲を拡大している。中でも、障害者に対する例外が追加された(第25a条)。複製、実演、(当事者が原著作物または複製物に合法的にアクセスできる場合)利用可能な形式での著作物の伝達が認められる(第25a条第1項)。

また、政府が認定した非営利団体が関連分野で活動する場合は、例外(頒布権を含む)が追加されている(第25a条第2項)。

さらに、「芸術の著作物」や「収集・編集著作物」 が例外として認められていないことも注目される。

 

[4] 侵害に対する権利行使(28条および35条)

著作権および隣接権の侵害行為を特定するアプローチに大きな変化がある。具体的には、改正知的財産法では、可能性のある侵害行為をすべて列挙する代わりに、著作権または隣接権の制限・例外規定に該当しない人格権や財産権を侵害する行為が著作権または隣接権の侵害となると述べている。

これは、現行の知的財産法のように、限定的なリストに含まれていないというだけで侵害行為が見逃されることが少なくなることを意味する。

加えて、知的財産法は、著作権および隣接権の権利者が著作物および隣接権の対象を保護するために使用する技術手段および権利管理情報に関する侵害行為を知的財産権に関する侵害行為として改正および導入している。

これらの著作権および隣接権の追加された侵害行為の導入は、著作権および隣接権の保護に関連して使用される効果的な技術手段または権利管理情報の回避に対する法的保護および効果的な法的救済を提供する。

 

[5] 著作権使用料の決定と分配(44a条)

知的財産法には、著作権使用料を共同著作者と共同所有者の間で決定し分配する原則に関する条項が追加されている。これは、著作物、実演、録音・録画、または放送番組への創作参加と資本貢献の相対的な割合を考慮し、(例えば、種類、形態、品質、数量または使用頻度に基づいて)使用形態に応じて、当事者間の相互合意を優先する。合意できなければ、政府の規則が適用される。

 

[6] 自身による保護に対する権利(198条)

当該権利権は、権利者が以下のことができるように拡大されている。

  1. 知的財産権の侵害を防止し、技術の急激な変化に対応するため、権利管理情報の提示その他の技術手段の実施すること
  2. 電気通信ネットワークおよびインターネット上の侵害コンテンツの削除を侵害者に要求すること

本改正は、著作権者がデジタル環境において著作権を侵害しているコンテンツを、当局の命令なしに削除するよう積極的に要求できるようにする革新的なものである。これにより、権利者が著作権を侵害しているコンテンツの削除をサービスプロバイダー (ISP)に要求する根拠となる。

 

[7] 著作権および隣接権の推定(198a条)

著作権および隣接権の推定について、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)第18.72条を遵守するための規定が導入されている。したがって、反証がない限り、「著作者、実演家、録音・録画製作者、放送事業者、映画製作者、その名称を一般的な方法で表示された出版者」は著作者と推定される(198a条1)。

本規定は、 (a) 権利者の立証責任、 (b) エンフォースメント機関による著作物の所有者の検証、を容易化することで、著作権侵害訴訟を加速させるのに役立つ。改正知的財産法は、「 名称の一般的な方法での表示」についてさらに明確にしている。

 

[8] サービスプロバイダー(ISP)の責任(198b条)

新たに導入されたISPの義務に関する第198b条は、現在の定義よりも広くISPを定義し、特定の種類のISPではなくその機能を列挙することによって、デジタル環境における著作権侵害に対処する効果的な方法をもたらす。さらに重要な点として、改正知的財産法は著作権および隣接権を保護するためにISPが権利者と直接調整する責任を規定する条項を導入しており、これによりエンフォースメントがより容易になる。

また、セーフハーバー(safe harbor)条項を享受するための条件として、テイクダウンとサイトブロックの仕組みが必要である、ISPに対するセーフハーバーが導入されている。具体的には、ISPは次の場合にのみセーフハーバーを主張できる。

  1. デジタル情報コンテンツが送信元で削除されたこと、または、送信元からデジタル情報コンテンツへのアクセスがキャンセルされたことを認識している場合、デジタル情報コンテンツを削除するか、そのようなコンテンツへのアクセスを拒否する場合
  2. 著作権や隣接権を侵害していることが判明した場合に、速やかに削除またはアクセス禁止措置を講じる場合

 

[9] 共同管理組織(56条)

共同管理団体については、著作権使用料の料率や支払方法を文化・スポーツ・観光省に提出して承認を受けるなどの義務が追加されている。

 

備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。Vietnam’s Amended IP Law to Strengthen Copyright Protection

その他の情報 

8月 29, 2025
国際商標登録のためのマドリッド協定議定書制度は、単一の出願で複数国に商標を登録できる、簡素化された費用対効果の高い方法を提供している。インドネシアは2018年にマドリッド協定議定書制度に加盟し、2024年だけでも本制度を通じて8,600件以上の出願があった。本制度は効果的であるが、商標権者は登録手続中に発生する可能性のある拒絶リスクを認識することが重要である。商標出願人は、インドネシアを指定する際、これらの重要な点に細心の注意を払う必要がある。 応答のための現地代理人の任命 暫定拒絶通報を受けた国際登録出願の出願人または代理人は、暫定拒絶通報に対する応答するために、インドネシアの現地代理人を任命しなければならない。任命は、インドネシアにおける暫定拒絶通報への応答のみを目的としており、国際登録出願が暫定拒絶通報を受けていない場合は不要である。また、現地代理人はWIPOに登録しないことである。登録した場合、すべての指定国における代理人の登録に影響を及ぼすからである。 応答期間 暫定拒絶通報への応答期限の計算方法に関して、DGIPとWIPOの計算方法には相違がある。インドネシア商標法では、商標権者は週末と祝日を除く30営業日以内に応答可能である。しかしながら、 DGIPの暫定拒絶通報に添付されるWIPOのカバーレターには、暫定拒絶通報への応答開始日および応答期限の両方が記載されており、週末と祝日を含む30暦日として計算されている。したがって、この問題を回避するために、国際登録に関する暫定拒絶通報への応答は、WIPOのカバーレターに従って提出する必要がある。 拒絶理由 インドネシア商標公報に国際登録出願が掲載された後、知的財産権総局(DGIP: Directorate General of Intellectual Property)の審査官による実体審査が行われる。商標は主に、絶対的拒絶理由と相対的拒絶理由に基づいて審査される。 国際出願は通常、相対的拒絶理由、具体的にはインドネシアで先登録されている商標との類似性に基づいて拒絶される。潜在的なリスクを軽減し、効果的な戦略を策定するために、出願前に対象国で商標調査を実施することを提案する。 拒絶理由の解消 引用商標のステータスを確認することは、拒絶理由を解消するための戦略を決定する上で重要である。以下に、拒絶理由を解消するためのいくつかの戦略を示す。 回答の提出 拒絶理由に対する応答は、商品の外観、発音、概念、性質の違いに基づく意見書を提出することにより可能である。 抵触する区分の削除 複数区分出願において、1つの区分が拒絶されている場合、出願された全ての区分の審査が遅れる可能性がある。拒絶が出願全体ではなく特定の区分にのみ影響する場合、商標出願人は、抵触しない区分の登録手続を進めるために、拒絶された区分を削除することを検討する場合がある。 同意書(Letter of consent)または商標譲渡 DGIPは、出願人に対し、同意の証拠を提出して出願を裏付けることを推奨している。したがって、引用商標の所有者に連絡を取り、両商標の共同登録を認める同意書を取得することは、審査官の裁量により拒絶を回避できる選択肢となる可能性がある。同一企業グループ内の企業が所有する先登録商標との類似性により国際登録出願が拒絶された場合、商標所有者は、引用商標の所有権を譲渡するための譲渡記録を提出し、両商標を同一の所有者に帰属させることも可能である。 商標出願の補正および再出願 識別力を有する要素を追加したり、特定の商品を削除して、商標出願を再出願することは、引用商標との類似性を排除する効果的な戦略となり得る。引用商標の有効期限が近づいている場合、商標権者はその状況を監視することを検討すべきである。商標が更新されない場合は、国内ルートで出願を再出願することが現実的な選択肢となる場合がある。あるいは、インドネシアの領域指定を放棄し、新たにインドネシアの事後指定を申請することも可能である。 訴訟 商標所有者は、最後の手段として、引用商標に対して訴訟を起こすことができる。訴訟には、不使用取消や、類似性または悪意に基づく取消訴訟の訴訟の提起が含まれる。これらの訴訟は、インドネシア商事裁判所が管轄している。 応答に関する審査プロセス 応答が認容されると、DGIPの審査官は約3~6月以内に再審査を行う。この期間は審査官の作業量によって変動する場合がある。応答により拒絶理由が解消すると、出願は登録段階に進み、DGIPはWIPOを通じて登録代理人に直接、保護認容声明を発行する。 応答が棄却が却下された場合、DGIPの審査官は現地代理人および登録代理人に対し、拒絶の決定を発行する。出願人は、通知日から90営業日以内に商標審判委員会に審判を請求することができる。審判が請求されない場合、出願人は拒絶の決定を受諾したものとみなされる。審判が請求された場合、商標審判委員会は約4~6月以内に審理を行う。 結論 マドリッド協定の議定書制度を利用してインドネシアで商標登録手続を進めることは容易ではないが、適切な戦略と現地の専門知識があれば、問題なく対応できる。拒絶理由を理解し、それを克服するための様々な選択肢を検討することで、商標所有者は登録の可能性を大幅に高めることができる。スムーズで効率的な登録プロセスを確保するには、現地の弁護士に相談し、最新の動向を常に把握することが不可欠である。商標出願はそれぞれ異なるため、インドネシアでビジネス目標を達成するには、個々の状況に合わせたアプローチが鍵となる。   ご質問等があれば、Karenina Aulia ([email protected])、Wongrat Ratanaprayul ([email protected])までお問合せください。   備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Responding to Refusal of an International Trademark Registration in Indonesia
8月 25, 2025
ベトナム政府は2025年上半期に、知的財産制度に大きな影響を及ぼす包括的な一連の法改正を実施した。これらの改正は、刑事、民事、行政、司法の各分野にまたがり、その大半が2025年7月1日に施行された。これらの改正は、ベトナムの法基盤の近代化、エンフォースメント・メカニズムの強化、そして国内規制と国際基準の調和を目指す広範な取り組みの一環である。 主要な法改正の概要と、それらがベトナムにおける知的財産の保護およびエンフォースメントに及ぼす潜在的な影響について、以下に説明する。 [1] 刑法(Criminal Code):より厳しい罰則 2025年改正ベトナム刑法に基づき、模倣品の製造および取引に関する犯罪に対する罰則が大幅に強化された。個人が有罪判決を受けた場合、罰金は2億ドンから20億ドン(約7,700米ドルから77,000米ドル、従来の1億ドンから10億ドン)に引き上げられた。法人の場合はさらに厳しくなり、罰金は20億ドンから400億ドン(約77,000米ドルから154万米ドル、従来の10億ドンから200億ドン)に引き上げられた。これらの罰則強化は、模倣関連犯罪の抑止と消費者の権利保護に向けた政府の取り組み強化を反映している。 [2] 行政違反処罰法(Law on Handling Administrative Violations):時効の延長と電子手続の適用 知的財産分野における行政違反への対処の時効は引き続き2年である。しかしながら、行政機関から当該違反が指摘された場合、この期間は1年延長される。当該機関による事件の処理に要した時間も、全体の時効期間に含まれる。 さらに、行政違反処罰法は、必要なインフラ、技術システム、情報環境が整備されていることを条件として、電子手続の利用を促進している。具体的には、エンフォースメント機関は、違反者に対し、電子メール、オンラインプラットフォーム、SMSなどのデジタル手段を通じて、決定事項、記録、関連文書を送付することが認められている。これらの技術の導入により、手続の効率が向上し、行政ワークフローが合理化されることが期待される。 [3] 人民裁判所組織法:専門裁判所と管轄権 2025年改正では、省レベルと地方レベルの両方に専門裁判所を設立することが求められ、知的財産権および技術移転紛争を扱う専門部署も設置された。Resolution No.81/2025/UBTVQH15に基づき、ハノイとホーチミン・シティにそれぞれ1つずつ、2つの専門知的財産裁判所が設置された。ハノイ知的財産裁判所は、北部および中部の20の省・市で発生した知的財産紛争の第一審管轄権を有し、ホーチミン・シティ知的財産裁判所は、残りの14の省・市で発生した事件を管轄する。これらの専門知的財産裁判所への控訴は、関連する省級裁判所で審理される。 省級裁判所は、2025年7月1日より前に提起され正式に受理された知的財産紛争について、引き続き第一審管轄権を有する。一方、2025年7月1日より前に地方裁判所で提起され受理された知的財産訴訟は、新たに設立される2つの専門知的財産裁判所のいずれかに移管される。 さらに、最高人民法院判事評議会のResolution No. 01/2025/NQ-HDTPは、係争中の事件の管理に関するガイドラインを示し、裁判所の各階層間の権限を明確にしている。 [4] 監査法(Law on Inspection):検査官レベルの簡素化 科学技術省、文化・スポーツ・観光省、市・省レベルの科学技術局など、各省庁や部門機関の下でこれまで運営されていた検査機関は正式に解散されました。改正監査法に基づき、検査体制は政府検査機関と省検査機関の2つの中核機関に集約された。しかしながら、2025年7月1日の施行時点では、法の規定を実際のエンフォースメントに反映させ、手続の明確化を図るために不可欠な実施ガイドラインが依然として不足していた。 [5] その他の重要な進展 商標権を侵害する会社の名称:政令第168/2025/ND-CPに基づき、商標権を侵害する会社の名称への対応を迅速化するため、事業登録制度が簡素化された。当局による審査期間は10日からわずか3日に大幅に短縮され、侵害が判明した企業は60日以内に社名変更手続を完了しなければならず、完了しない場合は行政罰が科せられる。この改革により、知的財産権保有者はブランドの不正使用に迅速かつ効果的に対抗できるようになる。 電子商取引プラットフォームへの対策:政令第117/2025/ND-CPに基づく規制では、税務管理の厳格化に加え、電子商取引事業者に対し、完全かつ検証可能な個人識別番号または納税者番号の提供を義務付けている。プラットフォームは、管轄当局の要請に応じてこれらのデータを提供することが義務付けられており、これにより、オンライン上の知的財産権侵害に対する捜査およびエンフォースメントの手続の効率が向上する。 安全でない医薬品の定義と取扱い:保健省の通達第30/2025/TT-BYTは、安全でない医薬品の定義を導入している。これには、模倣、規格外、または出所が疑わしい医薬品に関する新たな規定、安全でない医薬品に関する明確な報告メカニズム、およびそれらの流通に関与する団体の調査と処罰に関する手順が含まれている。 広告法から知的財産権侵害条項を削除:改正広告法では、知的財産権規制に違反する広告に関する規定が廃止された。国会議員の意見により、知的財産権法において既にあらゆる知的財産権侵害行為が禁止されているため、別途規定を設ける必要はないと判断された。 [6] 結言 ベトナムの2025年法改正は、知的財産権のエンフォースメントの近代化に向けた戦略的な飛躍であり、ベトナムにおける知的財産権のエンフォースメント体制の大胆かつ戦略的な再編を象徴するものである。専門知的財産裁判所の導入、より厳格な罰則、デジタル化されたワークフロー、そして合理化された検査プロセスにより、知的財産権の環境はより透明性とアクセス性を高め、強力な抑止力を持つことが期待される。これらの動向は、国際的なベストプラクティスと国際貿易協定に基づく義務に沿って、ベトナムが知的財産権制度を強化するというコミットメントを強調するものである。   本記事に関するご質問などは、Ms. Thuy Thi Ngoc Huynhまでお問合せください。   備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Major Legal Changes Impacting Vietnam’s IP Regime: 2025 Legislative Updates
8月 21, 2025
タイ商標法において、識別性は商標登録および商標の保護における基本的要件である。タイの裁判所では、商標の使用ではなく、商標固有の特性に基づいて識別性を評価するのが一般的である。これは、使用を通じて獲得された識別性を証明するには、使用期間、流通範囲、宣伝広告活動など、実質的な証拠が必要となるためである。 しかしながら、知的財産・国際貿易裁判所(IP & IT裁判所)は最近、図形商標「weplay」が使用を通じて識別性を獲得したとの判決を下した。これはタイ商標法では異例の判決である。その後、特別控訴裁判所(Court of Appeal for Specialised Cases)は、商標の構成要素を総合的に評価した結果、商標の固有の識別性を認めた。 本記事では、固有の識別性と獲得された識別性の両方を証明するための基準について説明し、両方の裁判所の事例を示して、訴訟の準備と裁判所が識別性を評価する方法の理解に役立つ貴重な洞察を提供する。 [1] 背景 2017年、原告は、玩具ブロックを含む第28類の商品について、以下に示す商標について商標出願を行った。 登録官は、商標法第7条に基づき識別力がないという理由で出願を拒絶した。原告は商標委員会に審判請求し、商標委員会は、「 weplay 」という用語が第28類の商品に使用されている場合、「遊具」という出願された商品の性質を記述していると判断した。したがって、「 weplay 」は商標法第7条第2項(2)に基づき識別性がないと判断された。 [2] 知的財産・国際貿易裁判所の判決 2024年、知的財産・国際貿易裁判所は、「weplay 」という用語は造語ではなく、「we」と「play」を組み合わせたもので、「私たちは遊ぶ」という意味を伝えるものであるとの判決を下した。この用語が第28類の商品に使用されている場合、その商品の性質が「遊び道具」であることを説明していることになる。したがって、出願商標を識別力がないと判断した。 しかしながら、裁判所は原告が提出した証拠を検討したところ、原告はタイで10年以上にわたり当該製品を販売していたことが示されていた。請求書、オンラインおよび印刷カタログ広告、その他の文書を含むこれらの証拠は、タイにおいて10年以上にわたる広範な製品流通および広告と並行して、商標が継続的に使用されていたことを裏付けていた。当該証拠により、当該商標が付された商品が広く販売、流通、および広告されていたことが決定的に立証された。したがって、当該商標は、商標法第7条第3項に基づき、継続的な使用を通じて識別性を獲得したと判断された。こうして、第一審裁判所である知的財産・国際貿易裁判所は、当該商標は登録されるべきである旨の判決を下した。 その後、両当事者は控訴した。 [3] 控訴決定 2025年2月26日、特別控訴裁判所は、問題の商標が次の2つの重要な要素から構成されていると認定した。 単語「weplay」 珍しい色の組合せを有する丸みのある形をした図形 「weplay」という用語は記述的というより暗示的であり、消費者により商品と関連付けるには解釈が必要となると判断された。図形要素と組み合わせることで、商標全体として、消費者が商品を認定し識別することができる識別性を有する。したがって、本商標は、商標法第7条第1項及び第2項(8)に定める識別力の基準を満たしている。 したがって、特別控訴裁判所は、出願商標は本質的に識別力があるという結論を下した。 [4] コメント この事例は、タイの裁判所が包括的なアプローチを採用し、商標の識別性を評価するためのより動的な枠組みの構築に貢献していることを浮き彫りにしている。また、使用を通じて獲得された識別性を考慮する傾向が高まっていることを示しており、商標訴訟においてより柔軟な要素となっている。   本記事についてのご質問などは、Mr.Nuttaphol Arammuangまでお問合せください。   備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Thai Court Finds Acquired Trademark Distinctiveness through Use in Rare Decision
7月 20, 2025
ベトナム政府は、貿易上の立場を強化し、米国との進行中の関税交渉におけるコミットメントを強化するための断固たる措置として、国内における知的財産権のエンフォースメント強化に全力で取り組んできた。その重要なきっかけとなったのは、首相が全省における模倣品の取締り強化のため、関係機関に対し、包括的なエンフォースメント措置を開始するよう要請する決定を下したことである。 Tilleke & Gibbinsは、これらの活動に積極的に関与し、ベトナムの市場管理局(Market Surveillance Authority)、税関、国境警察と緊密に連携しながら、計画策定、情報収集、そして現場でのエンフォースメントにおいて重要な役割を果たしてきた。 主要なオペレーションは、ハノイやホーチミン・シティを含む主要な商業拠点で実施された。ハノイでは、市場監視Team1と協力し、ハンザイ(Hang Giay)の大手卸売業者を検査した。検査の結果、大量の模倣品である香水が押収され、違法取引ネットワークにおける主要な供給業者が特定された。 ホーチミン・シティでは、サイゴン・スクエアを含む著名な市場における大規模な検査キャンペーンを支援した。情報収集を行い、当局は、模倣品であるブランド品の販売で悪名高い店舗や屋台を標的とした複数回の摘発を実施した。Tilleke & Gibbinsの専門家は、迅速かつ効果的な介入を確実に行うため、ロジスティクス支援とリアルタイム分析を行った。 ベトナムの都市部だけでなく、北部のおよび中部の重要な国境地帯にも活動が広げられた。Tilleke & Gibbinsは、主要な検問所で税関・国境警備隊と協力し、模倣品が含まれている疑いが高い貨物の検査を行った。これらの活動により、複数のコンテナに積まれた禁制品を押収した。 全国規模のキャンペーンには、保管・流通拠点として知られる複数の省における重点的な活動も含まれていた。バクザン省(Bac Giang)、ダナン省(Da Nang)、ハイフォン省(Hai Phong)、キエンザン省(Kien Giang)、ドンナイ省(Dong Nai)では、Tilleke & Gibbinsは、中規模から大規模の倉庫や流通センターへの組織的な摘発を支援した。これらの検査により、模倣品在庫が多数発見され、複数の施設の一時閉鎖と主要な犯人に対する法的措置につながった。 ベトナムが米国との関税交渉を続ける中、これらの注目を集めるエンフォースメント活動は明確なメッセージを発信している。すなわち、ベトナムは知的財産権の権利行使に真剣に取り組んでおり、長年の問題に対処するために具体的な行動を起こしている。Tilleke & Gibbinsのような民間パートナーの支援を受け、ベトナムは国際舞台において責任ある貿易パートナーとしての評判を高めている。   備考:本和文は英文記事を翻訳したものです。原文については、以下のリンクをご参照ください。 Vietnam Intensifies Crackdown on Counterfeits amid US Tariff Negotiations